「とちぎ終活倶楽部」の誕生と終活支援の現状について

ミドル世代からの終活支援 とちぎ終活倶楽部

終活支援は事業化が難しいと言われています。遺言や相続、保険など特定士業や業界にそれぞれ認められた独占業務・専権業務も沢山あり、横断的に自由な業務拡大ができないこともあります。

また、どの業務をとってみてもリピート化しにくく、デジタル終活やエンディングノート指導など相場観のないことも多いです。販売機会もキャッシュポイントが限られます。「エンディングノート差し上げます」といった文句で客寄せや本業のおまけとして打ち出されることも多いのが現状です。

終活に関わるコミュニティや業界団体、仲間内においても終活で食べていくのは難しいといった本音はしばしば聞かれます。実際、私自身も現状は終活を事業化できているとは言い難く、半ばボランティアのような活動状況ではあります。ただ、嘆いていても何も始まらないので、現状を変えていかなければならないと私は思っています。

 

「終活サポート ワンモア」を立ち上げて5年目に入りました。

当初はフォトグラファーとして生前遺影を普及させたいというシンプルな想いが発端となりましたが、多くの出会いに恵まれ、思ってもみなかったくらいのウエイトを置いて取り組んできました。それと同時に以前は気づきもしなかった「人生100年時代」の課題が身の回りに見えてきました

例えば生前遺影の問題も、故人の写真が残っていないという事実は氷山の一角に過ぎません。数十年という人生を経てたった一枚の(遺影として残すに十分な)写真が残っていないという本質的な問題に行き当たります。もっと言えば(特に老後の)家族関係、人間関係にも要因がありえるのです。

このように、終活に関することはビジネスのようにTO DOリストを作ってスケジューリングし、効率的にこなしてゆくといったものではないのです。

終活カウンセラー協会の武藤頼子会長は「終活は”やり方”でなく”あり方”」だと言いますが、まさにあり方が問われます。遺影写真の話を続けるならば、遺影写真を撮影することはひとつの使命を担ったことに過ぎず、そこから先にどんな気付きをもたらすことができるかを考えることがより重要なのです。

興味関心の範囲が広がり、課題解決のため少しずつドメインを広げるなかで、この終活支援活動は自分自身のライフワークのひとつという存在になっています。

 

順調に「ホップ」「ステップ」した草創期

終活サポート ワンモアは2018年、弁護士、司法書士、FPといった各分野の専門家と連携し、相続や終活に関する悩みやお困りごとを包括的に解決するお手伝いをしたいと考え、始めた取り組みです。以来、セミナーやイベントを地道に継続してきたことで、「終活ねっと」「とちぎ朝日」「ミヤラジ」など業界や地域のメデイアに取り上げられ、活動に理解を頂いた強力な支援者のおかげで近隣の自治体から講演依頼が相次ぐようになったのが2020年でした。

コロナ禍で振り出しに

ホップ、ステップ、ジャンプの3年め、飛躍の年と思って臨んだその年はコロナ禍によってすべてのスケジュールが白紙となり、2年かけて汗と労力を注いできたこの活動も振り出しに戻りました。

失望のなか、いまやれることなすべきことを見つめ直したときに、ウィズコロナ時代のイベント運営として「少人数でのセミナー開催」を継続的に実施することはすぐにでもできるという結論に至りました。

協力店を募集したところ新規開業したばかりの旧友がすぐに応じてくれました。5~10人程度の少人数の終活イベントを継続的に実施しました。

Photo:初めてのオンライン併用セミナー開催(2020年)

 

もともと40~50代から終活に関心を持って欲しいと思っていたこともあり、イベントのターゲットを変更、「ミドル世代からのとちぎ終活倶楽部」というタイトルで、「薬膳」「写経」「デジタル終活」「遺言」「登山」などさまざまな講座を開催、少しずつ参加者が増えていきました。

注釈:当時、シニア層のほとんどは外出を控えており、重症化リスクの高いシニア層を対象にしたイベント開催は問題も多かったのです。

そのなかで少しずつ常連メンバーもでき、その人たちを中心としたコミュニティが形成されてきました。例えば、山歩きのメンバーが「今度写経を体験してみたい」「薬膳に呼んで欲しい」と言い出したり。これは私にとって興味深い現象で、それぞれ単発で開催してきた終活イベントがコミュニティの中で共有され、相乗効果を発揮し始めたのです。

思えば、脳裏に漠然と描いてきたことがあります。ゆくゆくは私も老い、撮影者としての領域は限られてくるだろう。その時は「終活カフェ」のような「たまり場」の主人としてエンディングノートや生前遺影のお手伝いをしながら、シニアコミュニティの一員として仲良く齢を重ねてゆきたいという将来のビジョンです。これは私の中でのLIFE SHIFTになると思います。

 

ですが、期せずしてコロナ禍でそのコミュニティは予定よりも前倒しになり、いま少しずつ現実のものになっています。むろん撮影者としてはまだまだ現役ですが、このコミュニティを得たことを冥利と思い、この終活支援活動こそが私の終活、人生の棚卸しになると信じて、この先を歩いてゆこうと考えています。

地道に活動を続けていくことで地域社会の理解が深まれば、いずれは支援活動の価値も高まり、事業としての価値も同時に高まるのではないかと考えて取り組んできました。

私は社会貢献、ボランティア的な終活支援のあり方を変えていきたいと思っています。ビジネスとして、成立させることがまず第一歩です。ビジネスとして成立すれば、業務提携や雇用の機会も生まれ、多くのひとが熱意や使命感をもって関わることができるようになるはずです。
さらには、ボランティアと思って取り組んでいると甘えが生じることもありますが、ビジネスとして臨めばそれは許されなくなります。

 

先例のないことに取り組むには勇気と覚悟が要りますが、先駆者としての自覚・誇り・覚悟を抱き、それを喜びに変えて活動を続けています。そして、10年後には地域に根ざした終活支援のパイオニアとして一目置かれるくらいの存在にはなりたいと思っています。

いまは微力な自分自身に鞭を入れつつ、乞うご期待と小さくつぶやいてこの駄文を終えたいと思います。

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この記事を書いた人

今井 賢司
今井 賢司フォトグラファー・ビデオグラファー・終活カウンセラー フォトマスターEX
終活サポート ワンモア 代表 兼栃木支部長。カメラマンとして生前遺影やビデオレター、デジタル終活の普及に努める一方、ウォーキング・薬膳・写経・フレイル予防など文化活動重視のシニアライフ支援をしています。

エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)