高齢化社会の真実と希望〜インクルーシブな共生の道を探る

多様性 インクルーシブ社会日本は世界でも有数の高齢化社会となり、2025年には65歳以上の人口が約30%に達すると予測されています(総務省「人口推計」)。高齢化の進展は医療や介護、年金制度など多くの課題を社会にもたらす一方で、社会のあり方そのものを見直すきっかけにもなっています。そこで重要となるのが「インクルーシブ社会」という考え方です。

インクルーシブ社会とは、年齢・性別・障害・国籍・経済状況など、さまざまな違いを持つ人々が互いに尊重され、排除されることなく社会の一員として参画できる社会を指します。単に多様性を認めるだけでなく、その多様な人々が実際に暮らしやすく、活躍できる仕組みを整えることが特徴です。

インクルーシブとダイバーシティーの違い

ダイバーシティー(多様性)
多様な人々の存在や属性の違いを認めることに焦点をあてています。たとえば、年齢、性別、障害の有無、文化背景などの「違い」を尊重し、受け入れる姿勢を指します。

インクルーシブ(包摂的)
単に違いを認めるだけでなく、多様な人々が「社会の一員として参加し、活躍できる環境や仕組み」を作ることに重きを置きます。言い換えれば、「排除せずに取り込む」ことを目指します。

まとめ
ダイバーシティーが「多様な個性を持つ人々の存在認知」だとすれば、インクルーシブは「その多様な個性を社会に活かし、共に歩む社会づくり」と言えます。


たとえば「ダイバーシティ」は、いろんな花が咲く花畑のようなものです。
そこには赤い花もあれば、黄色い花、白い花もある。背の高い花や、地を這うような花もあります。
「どんな花も、それぞれに美しい」と気づく――これがダイバーシティ(多様性の認知)です。

一方、「インクルーシブ」は、その花たちが共に生き生きと育つように、環境を整えることです。
日当たりが足りない花には少し日差しを分け、乾燥に弱い花には水を多めにあげる。
それぞれの違いを理解しながら、みんなが花畑として美しく共存できるよう工夫する。
それがインクルーシブ(包摂的な社会づくり)です。

なぜインクルーシブ社会が高齢化社会の鍵となるのか?

高齢化社会の現状・真実

日本の総人口は減少し続け、2050年には1億人を切ると予測されています。その中で65歳以上の高齢者人口は3,600万人を超え、全人口の約35%を占めると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所)。この変化は単なる「人口の割合の問題」ではなく、社会経済や地域コミュニティの持続可能性に直結します。

従来の高齢者支援の枠組みだけでは、多様な高齢者のニーズや生活スタイルに応えきれず、孤独や社会的孤立が深刻化しています。たとえば、厚生労働省の調査では高齢者の約4人に1人が「孤独・孤立感」を感じており、その結果、健康問題や精神的な不調を招くリスクが高まっています。

ここで注目されるのが、インクルーシブな社会参加の推進です。高齢者も社会の一員として尊重され、自らの経験や知識を活かし、地域や職場で役割を持つことは、本人のQOL(生活の質)向上に寄与するだけでなく、社会全体の活力アップにもつながります。

インクルーシブ社会実現に向けた具体的な取り組み例

年齢の壁を越えて、共に生きる社会へ

多様性 インクルーシブ社会高齢化社会の課題を「年齢」という単一の軸で捉えるのではなく、多様な個人のあり方や参加を包摂する「インクルーシブ社会」という視点で俯瞰することが大切です。これにより、孤立や社会的排除を防ぎ、すべての人が尊厳を持って暮らせる未来を築くことができます。

日本の高齢化は避けられない現実ですが、インクルーシブな社会づくりに取り組むことで、高齢者も若者も共に輝き続けられる社会へと進化できるのです。

 


※本記事は、執筆時点における一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する助言や判断を行うものではありません。実際のご判断に際しては、必ず関係法令や専門家の意見をご参照ください。また、専門家のご紹介もいたしますのでお気軽にご相談ください。

 

この記事を書いた人

今井 賢司
今井 賢司終活カウンセラー1級 写真家・フォトマスターEX
終活サポート ワンモア 主宰 兼 栃木支部長。立教大学卒。写真家として生前遺影やビデオレター、デジタル終活の普及に努める傍ら、終活カウンセラーとして終活相談及びエンディングノート作成支援に注力しています。

また、「ミドル世代からのとちぎ終活倶楽部」と題し「遺言」「相続」「資産形成」といった終活講座から「ウォーキング」「薬膳」「写経」「脳トレ」「筋トレ」「コグニサイズ」などのカルチャー教室、「生前遺影撮影会」「山歩き」「キャンプ」といったイベントまで幅広いテーマの講座を企画開催。

こころ豊かなシニアライフとコミュニティ作りを大切に、終活支援に取り組んでいます。栃木県宇都宮市在住。日光市出身。

終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)
ITパスポート
フォトマスターEX

- 近況 -
・「JAこすもす佐野」「栃木県シルバー人材センター連合会」「宇都宮市立東図書館」「塩谷町役場」「上三川いきいきプラザ」「JAしおのや」「真岡市役所」「とちのき鶴田様」「とちのき上戸祭様」「栃木リビング新聞社」「グッドライフ住吉」にて終活講座を開催しました
・JAこすもす佐野にて生前遺影撮影会を開催します

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終活相続ナビに取材掲載されました
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