生前遺影は長寿のお守り ~おすすめのタイミングと服装のポイント

生前遺影 フォトスタジオ リバーシ(宇都宮市)

私事ですが、ちょうど実父の手術の時間にご予約で撮影させて頂いたお客様。奇しくも父と同じ病で手術を受けることとなったため、生前遺影の撮影を思い立ったそうです。

その後手術は無事成功し、元気なお姿をみせてくださって、ほっとしました。病気がきっかけで行動に移すという方も多くいらっしゃいます。

遺影写真はいつ撮るの?

「遺影写真はいつ撮るべきなの?」
私は仕事柄よく訊かれますが、一般的にはなかなか聞きづらい質問ですよね。終活に関することは家族でも話題にしにくい事柄が多いのです。

「いつでもよいのです」「決まりはありません」といった回答をよく見かけます。

間違いではありませんが、そう言われると多くの方は先送りしてしまい、これまでと変わりなくなってしまいます。「終活あるある」ですね。

 

いつ撮ったら良いのかわからない…そんな生前遺影の撮影には、おすすめのタイミングがあることをご存知ですか?

今回は写真館を経営するフォトグラファーでもある今井が、生前遺影撮影のタイミング、服装など、人には聞けない疑問の答えを分かりやすく解説いたします。

人生、いつ何が起こるか分からない。だからからこそ…の終活でもあると思います。いまできることは、早めに準備しておきましょう。

 

入院先へ出張撮影したこともありますが…

「生前遺影の撮影はいつがいいの?」あまり考えたくないかも…ですよね。

遺影写真は節目の記念写真とは違い、先延ばしにされがちです。いつが節目なのか、わかりにくいですものね。何歳で撮れば良いんだろうといっても、人の寿命はまちまちですから。

生前遺影は、いま元気な時に撮影することをおすすめします。すぐにです。
明るく元気な笑顔で遺影写真を残すことが、ご自身にとっても周囲にとっても嬉しいことだからです。

具合が悪くなってから、辛そうなお姿の写真を残してしまうと、のこされた人たちは遺影を目にするたびに、最後の辛い時期を思い返すことになります。

 

私はご依頼で入院先に訪問して遺影写真を撮影したこともあります。
やせ細って起き上がることもできず、看護師さんたちのご協力を得てシーツを背景布代わりにして撮影しましたが、できればそうなる前に撮影しておきたいものです。

 

ご遺族や友人には、元気に生活していた頃を思い出して、少しでも明るい気持ちで見送ってほしいものです。
葬儀の最中は自然と祭壇中央に飾られた遺影写真に目がいきますが、そんなときも笑顔の写真と向き合ってほしいと思います。

遺影写真は、お元気なうちに撮影しておくことで、本来のあなたらしい素敵な笑顔をのこすことができます。

そして、こんな言葉もあります。「あなたの人生で、一番若いのは今日このとき」であると。

 

家族の記念日に生前遺影を

生前遺影は、誕生日や古希や喜寿などの記念日に撮影するのもおすすめです。

ご自身の記念日以外にも、お孫さんの進学記念や成人式といった機会に撮影される方が多いです。

家族写真と一緒に生前遺影の撮影を

 

「せっかくの記念日に遺影写真は撮りたくない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、遺影写真は決して縁起の悪いものではありません。

私は「生前遺影は長寿のお守り」と言っています。生前遺影を撮影させていただいた方の多くは、その後もお元気で過ごされているからです。

撮影者の立場で申しますと、生前遺影をお勧めするのはまだまだお元気な方がほとんどで、具合の悪そうな方にはお勧めしにくいものです。

撮影した後も長くお元気だったら、その幸せを噛み締めて、また新しい生前遺影を撮影してください。

 

家族の記念日に、お子様たちからからサプライズで生前遺影の撮影をプレゼントされるといったこともよくありますね。

記念日に写真を撮ることで「家族との時間をもっと大切に」「いまある日々に感謝しよう」といった身近なひとたちへの想いをあらたにする機会にもなります。
撮影者としても、撮影自体が想い出になるような、そんなひとときを提供したいと思っています。

また記念日には、スーツなどのおしゃれ着で外出することも多いため、その流れで遺影写真の撮影に移行するのもハードルが低くなります。

ご本人だけでなく、ご家族の皆さんも参考にしてください。

 

よくある質問:服装はどうすればよいですか?

服装についてもよく訊かれますが、遺影写真は普段のお姿を偲ぶお写真ですから、普段とかけ離れていないほうが望ましいのではないかと考えます。

「ちょっとよそ行き」くらいの服装がお勧めです。

 

もちろん、折角だからおしゃれしたいときらびやかなドレスや着物姿で撮影に臨むのも自由です。

おしゃれな方でしたら、できれば定期的に撮影し、その都度雰囲気の違った装いで撮影されるとさらに素敵だと思います。

余談ですが、以前、沢山の御写真を撮影させて頂いた御婦人に「私の葬儀は、沢山の(ドレス姿の)写真を飾って”写真葬”にするのよ」と言われたことがあります。

撮影者としてこれ以上のない名誉だと感じました。

 

「生涯現役」を誇りにしている事業家の方が、作業衣で撮影にいらっしゃったこともあります。

いま打ち込んでいるテニスの服装で撮影したこともあります。大好きなカメラと撮影した方も。ご自身らしいアイテムをお持ち込みになるのもお勧めです。

生前遺影 フォトスタジオ リバーシ(宇都宮市)

なお、上半身は明るい色合いのほうが、お顔の色が明るく健康的に映ります。それと、よりお若く映りますね。

 

あなたのぬくもり、存在をのこすということ

余談ですが、私は生前遺影を普及させたいという想いから終活支援に乗り出し、この『終活サポート ワンモア』を起ち上げ、現在に至ります。今では遺言相続やエンディングノート、カルチャー講座まで異業種協業にて幅広く手掛けていますが、原点はここにあります。

ランチの写真までスマートフォンで撮影してシェアするといったこの時代に、数十年を生きてきて素敵な肖像写真が一枚ものこっていないといったことはあってほしくないのです。

アンケート調査を実施すれば終活の実践状況は1~2割程度で、生前遺影も例外ではありません。

年間20~30件ほど急遽遺影写真が必要になったとのご依頼でスナップ写真が持ち込まれますが、そういった(誰だかわからないような)不鮮明な写真ではなく、あなたのぬくもり、存在を確かに感じられる肖像写真をぜひのこしてください

 

その写真は、のこされた人と故人をつなぎとめる確かな絆になるのです。

 

生前遺影撮影会のご依頼も承ります

生前遺影撮影会 終活サポート ワンモア(栃木県)

企業団体様のイベントや病院・介護施設への出張など、生前遺影撮影会のご依頼も承ります。

撮影会やイベント主催・共催の経験豊富です。ご予算やスケジュールに応じてプランニングいたします。お気軽にご相談ください。

 

 

 

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この記事を書いた人

今井 賢司
今井 賢司終活カウンセラー1級 写真家・フォトマスターEX
終活サポート ワンモア 主宰 兼 栃木支部長。立教大学卒。写真家として生前遺影やビデオレター、デジタル終活の普及に努める傍ら、終活カウンセラーとしてエンディングノート作成支援に注力しています。

また、「ミドル世代からのとちぎ終活倶楽部」と題し「遺言」「相続」「資産形成」といった終活講座から「ウォーキング」「薬膳」「写経」「脳トレ」「筋トレ」「コグニサイズ」などのカルチャー教室、「生前遺影撮影会」「山歩き」といったイベントまで幅広いテーマの講座を企画開催。

こころ豊かなシニアライフとコミュニティ作りを大切に、終活サポートに取り組んでいます。

終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)

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