終活相談事例2 相続で発覚した養子縁組

弁護士の松田です。今回は「ヤヤコシイ」ことを整理しておかなかった結果、残された人が困ってしまった事例についてお話しします。

ご相談のきっかけ…銀行で知らされた養子の存在

Aさんが、亡くなりました。Aさんには、妻Bさんと一人っ子のCさんがいました。

Cさんは、Aさんの生れてから亡くなるまでの戸籍を揃えて、生前Aさんが預金口座をもっていた銀行に行き、相続手続きをしようとしました。

すると、銀行の担当者は、Cさんに対し、Aさんには養子Dさんがいると指摘しました。

驚いたCさんは、私のところに相談に来られました。

 

発覚した養子縁組のからくり

Aさんは、Bさんと結婚する前、Eさんと結婚していました。AさんとEさんの間には、子供は生まれませんでしたが、Aさんは、Eさんの子供Dさんと養子縁組をしていました。

Aさんは、Eさんと離婚したのですが、Dさんとの間の養子縁組を解消(離縁)していませんでした。

そのため、Dさんは、Aさんが亡くなったとき、Aさんの養子だったのです。

 

思い込みはトラブルのもと

Aさんは、Eさんと離婚したとき、Dさんとの間の養子縁組を解消(離縁)しておくべきでした。

おそらく、Aさんは、Eさんと離婚すれば何もしなくてもDさんとの養子縁組もなくなると勘違いしていたと思われます。

Aさんが、離婚するときに専門家に相談していれば、BさんとCさんは、このようなことには直面しませんでした。

 

不安を感じたら相談を

「勘違いしていた」あるいは「知らなかった」ために放置した結果、残された人が困ってしまうことがあります。

少しでも疑問に思ったり、不安を感じたりしたときには、専門家に相談することをお勧めします。これも、終活です。

 

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この記事を書いた人

松田道佐
松田道佐
弁護士。1998年(平成10年)4月に弁護士となり、個人、会社から様々な依頼を受けてきた。現在、個人については終活を踏まえた「任意後見」「民事信託」「遺言」等の財産管理業務や遺産分割に重点を置いて活動中。