高齢者を狙う詐欺から守るために 電話・メール・LINEの現状と家族の役割
高齢者を狙う電話・メール・LINE詐欺の傾向と、今日からできる対策
「最近、0800から始まる電話がやたらとかかってくる」
そんな声を、周囲の高齢者の方からも聞く機会が増えています。
私も仕事場のほうによくかかってきます。後述する対策を色々としていますが、出る必要のない迷惑電話であることがほとんどです。
実はこの「0800」という番号、迷惑電話や詐欺に使われやすい理由があります。
そして近年は、電話だけでなく、メールやLINEを組み合わせた手口も増えてきました。
今回は、なぜ狙われやすいのかという背景と、
電話・メール・LINEそれぞれの具体的な対策について整理してみたいと思います。
なぜ「0800」からの迷惑電話が多いのか
スマートフォンの着信画面では、番号の先頭部分だけが目に入りやすいことがあります。
そのため、「080」と「0800」を直感的に見分けるのが難しく、
「知り合いの携帯電話かもしれない」
と、つい応答してしまうケースが少なくありません。
この視覚的な紛らわしさを、セールスや詐欺を仕掛ける側が利用していると考えられています。
さらに問題となっているのが、
コンピューターが自動で発信する 「ロボコール」 です。
不特定多数の番号に一斉に電話をかけ、自動音声でメッセージを流すこの手口は、
効率よくターゲットを探し出せるため、詐欺や悪質商法で多用されています。
また、「0800」番号は比較的安価に取得できるため、
問題が起きるとすぐに番号を解約して姿を消す、
そんな実態の不透明な事業者も少なくありません。
高齢者が狙われやすい背景にあるもの
高齢者にとって、スマートフォンが日常の一部になっても、
固定電話は今なお特別な存在です。
長年使い続けてきた
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社会的な信頼の証
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災害時の安心感
こうした意味合いから、
スマホと固定電話を併用している方が多いのが現実です。
しかし、その「信頼」を、犯人グループは巧みに悪用します。
だからこそ、それぞれの通信手段の特性に合わせた対策が必要になります。
1.電話:固定電話とスマホ、それぞれの守り方
(1)固定電話は「物理的なガード」を固める
固定電話は、「誰からかかってきたのか」を直感的に判断しにくいのが弱点です。
そこで有効なのが、自動応答による対策です。
ナンバーディスプレイを活用する
誰からの電話か分かるだけで、
不用意に出てしまうことを防げます。
電話一本(116番)やWebからの申し込みでOKです。
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工事の有無: 局内工事のみなので、立ち会いは不要です。
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費用: 月額料金(440円〜)がかかります。
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注意点: 電話機自体がナンバーディスプレイ対応モデルである必要があります。
補足:最新の動向(2026年時点)
現在、特殊詐欺対策として70歳以上の方がいる世帯ではナンバーディスプレイが無料化(月額利用料および工事費とも)されているケース(NTTなど)が多いです。
対象であれば、電話の際にその旨を伝えると、無償で設定してもらえる可能性があります。
【推奨】警察推奨「防犯機能付き電話」
呼び出し音が鳴る前に
「この通話は録音されます」
と警告を流す機能があり、これだけで多くの不審電話を抑止できるとされています。
防犯機能付き電話の導入 | 警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ
自治体の補助金を活用する
「防犯機能付き電話」については、多くの自治体で購入費の補助や機器の貸し出し制度があります。
まずは地域の窓口に相談してみるのが近道です。
留守番電話にする
知らない番号からの電話は、まず留守番電話で。
本当に大切な用件なら、必ずメッセージが残ります。
家族や周囲と合言葉を
お金や個人情報の話が出たら、
必ず家族に確認する合言葉を決めておきましょう。
国際電話の利用休止
「+1」など海外番号からの不審な着信を、無料で止める手続きが警察からも推奨されています。
(2)スマホは「アプリと設定」で自動判別
スマートフォンは、
画面に情報を表示できるという強みがあります。
これを活かして、知らない番号を自動判別できるようにしておきましょう。
迷惑番号対策アプリ
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Whoscall(フーズコール)
膨大なデータベースと照合し、詐欺の疑いがある場合は警告を表示します。 -
電話帳ナビ
国内利用者の口コミが多く、しつこいセールス電話の判別に役立ちます。私も利用しています。
キャリア公式サービス
docomo、au、SoftBankなどが公式提供する「迷惑電話ブロック」サービスは、設定が簡単で安心感があります。
大手3社とも、店舗(ショップ)窓口や電話窓口での相談が可能です。
特にスマホの操作に不慣れな方や、設定方法がわからないという方のために、各社サポート体制を整えています。
※ただし、内容によっては「有料サポート」になる場合も
(3)還付金詐欺にもご用心
役所や年金事務所などからの「還付金」の連絡が、電話で来ることはありません。
還付金がある場合は、必ず封書(郵送)で通知があります。
「今日中に手続きが必要」
「電話で操作してください」
といった説明があった場合は、詐欺の疑いが高いと考えてください。不審に思ったら、一旦切ってかけ直すという対応が適切です。
2.迷惑メールは「急がせる内容」に要注意
スマホの普及とともに増えているのが、宅配業者や公的機関を装ったメール詐欺です。
不安を煽る言葉に注意
「重要」「未払い」「差し押さえ」
こうした言葉で行動を急がせるメールは、まず詐欺を疑うことが大切です。
リンクを安易に押さない
本物かどうか確認したいときはメール内のリンクではなく、
あらかじめ登録してある公式サイトやアプリから確認しましょう。
メールは電話と違い、すぐに返事をしなくてもよいという大きな特徴があります。
相手のペースに合わせて慌てて行動せず、まずは一呼吸おきましょう。
少しでも不安や違和感を覚えたら、
-
家族や身近な人に見せる
-
消費生活センターなどの専門機関に相談する
など、一人で判断しないことが大切です。
3.LINEは「詳しい人」と一緒に設定を確認する
近年、高齢者にもLINEの利用が広く浸透しています。実際、私の顧客や講座の受講者の皆さんも、ほとんどの方が利用されていますね。
調査によると、60代以上のLINE利用率は約7割に達し、スマホを使った連絡手段として定着してきています。
【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割
高齢者世代でも、家族や友人とのコミュニケーションにLINEを日常的に使っていることがわかります。
確かにLINEは便利なツールですが、設定次第でリスクも大きく変わります。
日常操作はできても、細かい設定となると苦手な人がほとんどだと思います。
一人で悩まず、家族やスマートフォンに詳しい人と一緒に、次の点を確認しておくのがおすすめです。
知らない人からの接触を防ぐ設定
電話番号を知っているだけで自動的に繋がらないようにする、
友だち以外からのメッセージを拒否する、といった設定があります。
お金や投資の話は疑う
有名人や警察を名乗る投資話、
家族を装った「急にお金が必要」というメッセージは、
まず偽物であることを疑ってください。
LINEならではのリスクも
LINEはメールと違い、
メッセージのやり取りに加えて、通話機能があるため、
相手に会話のペースを握られやすいというリスクがあります。
「今、電話できますか?」
「すぐ話したほうが早いです」
といった流れで通話に誘導されると、
冷静に考える時間を奪われてしまいます。
LINEであっても、
お金や個人情報の話が出たら、
その場で判断せず、一度やり取りを止めることが大切です。
少しでも違和感を覚えたら、
家族や詳しい人に画面を見せて相談する。
それが、被害を防ぐ最も確実な方法です。
スマホ選びのコツ
余談ですが、スマートフォンを新しく購入する際は、操作を教えてもらえる身近な家族や友人と、同じ機種を選ぶと安心です。
困ったときに画面を見ながら説明してもらいやすく、設定の確認やトラブル対応もスムーズになります。
もしも後になってその「先生役」の人が別の機種に変えたとしても、基本的な操作方法であれば十分に教えてもらえることが多いでしょう。
困ったときは、一人で抱え込まないで
万が一、金銭的な被害に遭ってしまった場合や、
執拗な連絡で身の危険を感じた場合は、
一人で抱え込まないことが何より大切です。
消費者ホットライン
188(いやや!)
では、商品やサービスの契約トラブルなど、
消費生活全般について相談することができます。
詐欺の手口は巧妙になっていますが、
知っているだけで防げる被害も多いのが現実です。
そしてもう一つ、大切な視点があります。
高齢者自身が意識し、対策することはもちろん重要ですが、
家族をはじめとした周囲のサポートも欠かせません。
「最近、変な電話来てない?」
「このメール、ちょっと見てくれる?」
そんな何気ない声かけや、
設定を一緒に確認する時間が、
大きな被害を未然に防ぐことにつながります。
「自分は大丈夫」ではなく、
「分からないことは誰かに聞く」。
そして、聞かれた側も面倒がらずに寄り添う。
その姿勢こそが、いちばんの防犯対策なのかもしれません。
この記事を書いた人

- 終活カウンセラー1級 写真家・フォトマスターEX
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終活サポート ワンモア 主宰。立教大学卒。写真家として生前遺影やビデオレター、デジタル終活の普及に努める傍ら、終活カウンセラーとして終活相談及びエンディングノート作成支援に注力しています。
また、「ミドル世代からのとちぎ終活倶楽部」と題し「遺言」「相続」「資産形成」といった終活講座から「ウォーキング」「薬膳」「写経」「脳トレ」「筋トレ」「コグニサイズ」などのカルチャー教室、「生前遺影撮影会」「山歩き」「キャンプ」といったイベントまで幅広いテーマの講座を企画開催。
こころ豊かなシニアライフとコミュニティ作りを大切に、終活支援に取り組んでいます。栃木県宇都宮市在住。日光市出身。
終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)
ITパスポート
フォトマスターEX
- 近況 -
・「JAこすもす佐野」「栃木県シルバー人材センター連合会」「宇都宮市立東図書館」「塩谷町役場」「上三川いきいきプラザ」「JAしおのや」「真岡市役所」「とちのき鶴田様」「とちのき上戸祭様」「栃木リビング新聞社」「グッドライフ住吉」にて終活講座を開催しました
・JAこすもす佐野にて生前遺影撮影会を開催しました
終活相談・講座のご依頼はお問い合わせフォームからお願いします。
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・終活相続ナビに取材掲載されました
・下野新聞に取材記事が特集掲載されました(ジェンダー特集)
・リビングとちぎに取材記事が一面掲載されました(デジタル終活)





