高齢者の3人に1人が認知機能低下?いま知っておきたい認知症保険

認知症保険とは

認知症保険とは、認知症になったときにかかる介護費用や生活費の負担を補うための民間保険です。

公的な介護保険や医療保険は、介護サービスや治療を受ける仕組みはありますが、日常生活の出費や家族の負担までカバーできるわけではありません。

認知症保険は、こうした「制度のすき間」を現金給付で補うことを目的としています。

なぜ認知症への備えが必要なのか

終活 認知症対策 終活サポート ワンモア(栃木県)認知症は特別な人の問題ではなく、誰にでも起こり得る身近なリスクです。厚生労働省および政府の推計によると、2022年時点で日本の65歳以上の高齢者のうち、約12.3%(約443万人)が認知症とされています。さらに、認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)は約15.5%(約558万人)にのぼります。

知っておきたい認知症の基本|政府広報オンライン

これらを合わせると、高齢者の約3人に1人が何らかの認知機能の低下を抱えている計算となり、認知症は一部の人だけの問題ではなく、誰にとっても身近なリスクであることがわかります。

  • 高齢になるほど発症率は高くなる

  • 介護期間は長期化しやすい

  • 月々の介護費用は平均で8万円以上

  • 住宅改修や介護用品などの一時費用も発生する

さらに、介護はお金だけでなく、家族の時間・仕事・精神的余裕を大きく奪います。

少子高齢化が進む今、「家族が何とかしてくれる」前提は成り立ちにくくなっています。

認知症保険でできること

認知症保険の最大の特徴は、現金でお金を受け取れることです。

主な給付の形は次のとおりです。

  • 診断一時金
    認知症と診断されたときに、まとまったお金を受け取れる

  • 介護年金
    介護が続く間、定期的にお金を受け取れる

  • 付帯給付・サービス
    予防や早期発見のサポート、治療・入院への補償など(商品による)

公的介護保険と併用することで、サービス+お金の両面から備えることができます。

介護保険との違い

介護保険は原則として40歳以上が加入し、要介護認定を受けることで、介護サービスを1〜3割負担で利用できます。

一方、認知症保険は任意加入の民間保険で、認知症と診断された場合に現金が支給される点が大きな違いです。

介護保険の自己負担分や、制度外の出費を貯蓄でまかなえない場合の補完策として考えられます。

認知症保険のメリット

  • 介護や生活に使える現金を確保できる

  • 介護が長期化しても対応しやすい

  • 家族の経済的・精神的負担を軽減できる

  • 本人が手続きできなくなっても、家族が請求できる仕組みがある

  • 予防や早期対応につながるサービスが付く商品もある

認知症保険のデメリット

  • 条件を満たさないと給付されない場合がある

  • 保険料が高めになりやすい

  • 公的介護保険と役割が一部重なる

  • 商品ごとの差が大きく、比較が難しい

  • 不安だけで加入すると過剰保障になりやすい

終活相談 終活サポート ワンモア(栃木県)加入条件や給付内容、他の制度との関係など、確認すべき点も多くあります。

迷ったときは、複数の選択肢を冷静に比較できる専門家に相談し、自分や家族にとって無理のない備え方を一緒に整理することが大切です。

 

保険と併せて考えるべきこと

家族で終活支援

認知症保険は、全員に必須の保険ではありません。

考えるべきポイントは、

  • 介護費用を貯蓄でまかなえるか

  • 家族の支援体制があるか

  • 老後に頼れる人がどれくらいいるか

そのうえで、「自分の認知症が、家族の負担にならないように」という視点で検討する保険です。

公的制度でカバーしきれない介護と生活の負担を補うための選択肢

認知症保険は、公的制度ではカバーしきれない介護と生活の負担を補うための選択肢です。

入る・入らないを決める前に大切なのは、自分と家族の老後をどう支えるかを考えること。

終活の視点では、「お金の問題を家族に残さないための準備の一つ」として位置づけると、無理のない判断ができると思います。

金銭的な備えと制度的な備えを組み合わせる

認知症への備えというと、保険や貯蓄など金銭面に意識が向きがちです。
しかし実際には、認知症になると「お金があるかどうか」以上に、
誰が財産を管理し、本人の意思をどう守るのかという問題が大きくなります。

財産管理と身上監護という視点

認知機能が低下すると、預貯金の管理や契約行為が難しくなり、場合によっては日常生活上の判断も自分で行えなくなります。
そのため、認知症保険などの経済的な備えに加えて、

  • 家族信託契約による財産管理
  • 身上監護も含めた成年後見制度の利用
  • 介護施設の検討やバリアフリー対策

といった制度面の備えも、元気なうちから検討しておくことが重要です。

「その人らしい生活」を守るために

認知症への備えは、ひとつの方法で完結するものではありません。
保険・制度・家族との話し合いを組み合わせながら、「その人らしい暮らしを続けるために何が必要か」を考えることが、これからの時代の認知症対策と言えるでしょう。

 

関連記事:認知症に備える未来へ──知っておきたい制度と支援、そして希望の兆し


※本記事は、執筆時点における一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する助言や判断を行うものではありません。実際のご判断に際しては、必ず関係法令や専門家の意見をご参照ください。また、専門家のご紹介もいたしますのでお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

今井 賢司
今井 賢司終活カウンセラー1級 写真家・フォトマスターEX
終活サポート ワンモア 主宰。立教大学卒。写真家として生前遺影やビデオレター、デジタル終活の普及に努める傍ら、終活カウンセラーとして終活相談及びエンディングノート作成支援に注力しています。

また、「ミドル世代からのとちぎ終活倶楽部」と題し「遺言」「相続」「資産形成」といった終活講座から「ウォーキング」「薬膳」「写経」「脳トレ」「筋トレ」「コグニサイズ」などのカルチャー教室、「生前遺影撮影会」「山歩き」「キャンプ」といったイベントまで幅広いテーマの講座を企画開催。

こころ豊かなシニアライフとコミュニティ作りを大切に、終活支援に取り組んでいます。栃木県宇都宮市在住。日光市出身。

終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)
ITパスポート
フォトマスターEX

- 近況 -
・「JAこすもす佐野」「栃木県シルバー人材センター連合会」「宇都宮市立東図書館」「塩谷町役場」「上三川いきいきプラザ」「JAしおのや」「真岡市役所」「とちのき鶴田様」「とちのき上戸祭様」「栃木リビング新聞社」「グッドライフ住吉」にて終活講座を開催しました
・JAこすもす佐野にて生前遺影撮影会を開催しました

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終活相続ナビに取材掲載されました
・下野新聞に取材記事が特集掲載されました(ジェンダー特集
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