「働く」をもっと素敵に。人生100年時代のシニアの仕事とつながり方

生きがいと社会とのつながりとしての「働く」

イメージ シニアのコミュニティ お仕事

高齢になってから働くことに、どんなイメージを持っていますか?
「年を取ってまで働くなんて気の毒」「若者の仕事を奪ってしまう」――そんな声も、まだ耳にすることがあります。しかし、そうした見方こそが、シニア世代の可能性を狭めているのです。

人生100年時代、「働くこと」は年齢に関係なく、自分らしく生きる手段のひとつになりつつあります。
誰かの役に立てること、社会とつながっている実感、日々にリズムと目的があることは、心身の健康にも大きな影響を与えます。

働くことは、苦役ではなく「自分らしく生きる手段」のひとつ。年齢で線を引かず、必要な人が、必要な形で社会と関わり続けられることこそが、これからの成熟社会に求められる姿勢です。今では働くことで得られる満足感や社会参加が、高齢期の生活を支える大切な要素だと見直されています。

私も、「生涯現役」で、この先もいろいろな仕事にチャレンジしていきたいと願っています。それも、心身とも健康であってこそですが、仕事を通して心身の健康を維持することも可能だと思っているのです。

人生100年時代――退職後も長く続く生活を、経済的にも精神的にも豊かに保つには「働く」という選択肢を前向きにとらえることが重要です。

働くことの意義 ― お金以上に大切なもの

シニアの働き方は、フルタイムに限らず、短時間勤務や週数日の就労、ボランティアや業務委託など、柔軟で多様化しています。

働くことで得られる主なメリットは以下の通りです

  • 生活にリズムとハリが生まれる

  • 人と関わる機会が増え、孤立を防げる

  • 健康維持につながる(外出や会話、体を動かす習慣)

  • 経験を活かして社会に貢献できる

  • 少しでも収入があると、生活の選択肢が広がる

シルバー人材センターの活用もひとつの選択肢

働くシニア地域の「シルバー人材センター」は、シニアが安心して働き始めるための心強い窓口のひとつです。

主なメリットを挙げてみましょう:

  • 就業前の研修や仕事紹介のサポートがある

  • 自分の体力や希望に合った、短時間・短期の仕事が選べる

  • 危険業務や重労働を紹介されることはなく、安心して働くことができる
  • 地域への貢献や人とのつながりが得られる

  • 就労者同士のサークルや交流もあり、仲間づくりにつながる

  • 新たなスキル獲得の支援や、再チャレンジの機会もある

最初の一歩を踏み出すきっかけとして、シルバー人材センターを利用する方は増えています。

他にもある、働き口を探す窓口

シルバー人材センター以外にも、シニア世代が自分らしい働き方を見つけられる窓口は数多くあります。

  • ハローワーク(シニア対応窓口あり)

  • 地域の就労支援センター

  • 民間企業やNPOによる高齢者マッチングサービス

  • ボランティアバンクや地域包括支援センター(ボランティア斡旋)

情報を集め、まずは相談してみることが大切です。案外、自分の経験や強みが生かせる場が見つかるかもしれません。

社会保険との兼ね合いにも注意

働くことで気になるのが年金や健康保険など、社会保険との関係です。特に以下のような点に注意しましょう。

  • 在職老齢年金制度と収入調整の関係

  • 健康保険や厚生年金への加入義務・メリット

  • 配偶者の扶養から外れる基準(年収130万円の壁など)

  • 年金の繰り下げ受給の判断

制度は改正されることもあるため、最新情報を確認しながら、自分にとって最適な働き方を選びたいところです。

人生の再設計:ミドル世代からのライフシフトを

そして最後に、今後さらに重要になるのが、ミドル世代からの「ライフシフト」です。

ライフシフトとは、長寿化が進む社会で従来の「教育→仕事→引退」という3つのステージのシンプルな人生ではなく、より長く働くことや、学び直し、多様な生き方を組み合わせるマルチステージの人生を送るという考え方です。長い人生のなかでステージの変化に合わせ、働き方や学び方、生き方を柔軟に変えていくことです。

定年後に急に仕事を探そうとしても難しいことがあります。
だからこそ、40代・50代のうちから「シニア期の働き方」を人生設計に組み入れておくことが大切です。

  • どんな形で働き続けたいか

  • 何を学び、どう備えるか

  • セカンドキャリアに必要な人脈やスキルは何か

人生が長くなったからこそ、シニア期の20年、30年をどう過ごすかは、若いうちからの意識の持ち方にかかっています。

今の仕事で得たスキルをどう生かすか、副業やボランティアを通じて新たな世界を広げるか、学び直しによって次の働き方を模索するか。
「仕事」は単に生活の糧ではなく、人生の質を高める柱のひとつとして捉える時代が来ています。

社会とのつながりを保ち、自分自身の存在意義を実感しながら過ごす日々

「働くこと」は、年齢に関係なく人生を彩る選択肢です。
社会とのつながりを保ち、自分自身の存在意義を実感しながら過ごす日々は、豊かで充実したものになります。

無理なく、でも前向きに。「働く」をもっと素敵にしていく。それが、これからのシニアの生き方です。


※本記事は、一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する助言や判断を行うものではありません。実際のご判断に際しては、必ず関係法令や専門家の意見をご参照ください。また、専門家のご紹介もいたしますのでお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

今井 賢司
今井 賢司終活カウンセラー1級 写真家・フォトマスターEX
終活サポート ワンモア 主宰 兼 栃木支部長。立教大学卒。写真家として生前遺影やビデオレター、デジタル終活の普及に努める傍ら、終活カウンセラーとして終活相談及びエンディングノート作成支援に注力しています。

また、「ミドル世代からのとちぎ終活倶楽部」と題し「遺言」「相続」「資産形成」といった終活講座から「ウォーキング」「薬膳」「写経」「脳トレ」「筋トレ」「コグニサイズ」などのカルチャー教室、「生前遺影撮影会」「山歩き」「キャンプ」といったイベントまで幅広いテーマの講座を企画開催。

こころ豊かなシニアライフとコミュニティ作りを大切に、終活支援に取り組んでいます。

終活カウンセラー1級
エンディングノートセミナー講師養成講座修了(終活カウンセラー協会®)
ITパスポート
フォトマスターEX

終活相談・講座のご依頼はお問い合わせフォームからお願いします。

- 近況 -
・栃木県シルバー人材センター連合会にて終活講座を開催しました
・JAしおのや様のご依頼にて終活講座を開催しました
・塩谷町、宇都宮市、真岡市のご依頼にて終活講座を開催しました
・とちのき鶴田様、とちのき上戸祭様にて終活講座を開催しました
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・終活相続ナビに取材掲載されました
・下野新聞に取材記事が特集掲載されました(ジェンダー特集)
・リビングとちぎに取材記事が一面掲載されました(デジタル終活)

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